「治療が終わった方はいいですよね…」
と言った発言を聞くと、掛ける言葉がなくなってしまうのですね。
相手の方も悪気があって言っているのではないとは思いますが、
不安な気持ちをついNさんに吐き出してしまっているのかもしれません。
もしかしたら、
他にそういうことを言える場所がないのかもしれないですね。
だとしたら、Nさんに少し辛く当たることで、
相手の方は感情を吐き出し、
自らコントロールしようとしているのかもしれません。
もちろん、辛く当たられてしまうのは悲しいでしょう。
「私が何をしたの!?」と思われることもあるでしょう。
でも、そういう場があることで、
相手の方は間違いなく救われていると思います。
それでもご自身が辛くなってしまう場合は、
必要に応じて、こんな返し方はいかがでしょうか。
「確かに私は今は病状が安定していますが、
とはいえ私もいつまた再発・転移するか分からない…
という不安はあなたと同様ずっと抱えています。
だから、一緒にやっていきたいんです」と。
Nさんご自身と相手の方が、
「私たち」という関係性であることを伝えられると、
少し相手の方も安心されるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
(了)
回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)