Lさんは病気になった経験がないので、
知人に対してできることがないのでは……
と思っていらっしゃるのですね。
確かに、経験者同士のほうが、
より相手の心境を汲み取りやすいものかもしれません。
本当の意味での辛さは、経験してみないと
分からないものかもしれません。
とはいえ、経験していない人は何も支援ができない、
というのは少し極論ではないかと思います。
それでは、多くの健常者の方は、
何も支援ができないということになってしまいます。
もしかしたら、知人の方は、ブログに記載する以前に、
何か自分の気持ちとは反することを言われたり
してしまったのかもしれません。
だから、「なったことがない人は分からない」
と書いたのかもしれません。
だとしたら、Lさんご自身は
病気の経験がないことを踏まえたうえで、
正直に、それでもできることはないか
知人に聞いてみてはいかがでしょうか。
たとえば、「私はがんになったことがないので、
あなたの気持ちを100%理解することは
できないかもしれない。
でも、あなたを想う気持ちはこれまでと変わらないし、
こんな自分でも何かできることがあったらいつでも言ってほしい」と、
知人に対する想いを伝えてみてはいかがでしょうか。
それによって、どのような返信がくるかは分かりません。
もしかしたら、「有り難う。でも大丈夫だよ」と
具体的なサポートはさせてもらえないかもしれない。
それでも、このような声かけを受けて、
嫌な気持ちを抱く人は少ないのではないかと思います。
何かと孤独感を抱きがちながん罹患者にとって、
自分のことを想ってくれる仲間の存在は、
それだけ大きいものだと私は信じています。
(了)
回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)