ご主人の治療は成功したけれど、塞ぎがちになってしまい、仕事に行くことを嫌がるようにまでなってしまったのですね。Iさんの何とも言えないお気持ち、お察しいたします。
私も経験がありますが、仕事を全力で頑張ってきた人であればあるほど、病気などによってハンデのような気持ちを感じてしまうと、無力感を抱いてしまうものです。
治療中は、「まずは体を治すことに集中しよう」と思えたものの、いざ社会復帰すると今度は、健常者のメンバーの中で自分の立ち位置がいかに不安定かということに愕然としました。
「これまでのようなキャリアが歩めなくなるのではないか……」
「これまでの努力はなんだったのか……」
という不安や葛藤に加え、もしかしたら、
「同期や後輩からも遅れを取ってしまった……」
という焦りもあるかもしれません。
そんなご主人に声をかけることは難しいですよね。でも、無理して声をかける必要もないような気もします。ご主人も、Iさんに心配をかけたくないという気持ちもあるでしょうし。
ただ、できることなら、「何か話したくなったら、いつでも聞くから」というスタンスだけは伝えていただけると、ご主人としては心強いのではないかと思います。
また、「頑張って」ではなく、「一緒に頑張ろう」というWEのスタンスも、多くのがん罹患者が勇気づけられるスタンスのようです。
よろしかったら参考になさってみてください。
(了)
回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)