Q14.妻ががんになり、私も仕事ばかりというわけにはいかず、家事などもできるだけするようになりました。ただ、半年以上、このような生活を続けてきて、かなり精神的に参ってきてしまいました。妻はあまり人に病気であることを伝えたくないという考えを持っており、そうなると私も周囲に話ができません。(Jさん・男性・40代)

奥様の病気がきっかけで、お仕事に加えて家事も、周囲の支えなく取り組んでいらしたのですね。大変頭の下がる思いですし、Jさんが「誰かに寄り添ってほしい」というお気持ちを持ったとしてもそれは当然のものと思います。

 

私たちは、がん罹患者にかかわる方に「寄り添う」ためのヒントをご提供する活動をしていますが、そのかかわる方ご本人にとっても、「寄り添ってくれる方」がいらっしゃるかどうかは、継続的なかかわりに向けた大きなポイントだと思っています。

 

とはいえ、奥様ができるだけ病気であることを伝えたくない、というお気持ちを尊重なさっているJさんであれば、なかなか知人・友人には打ち明けられないかもしれませんね。

 

では、例えば、病院のがん相談支援センターや公的な相談室のようなものを訪ねてみるのはいかがでしょうか。

 

また、私の経験で恐縮ですが、職場の福利厚生などで電話相談を受け付けてくれるサービスを活用したりもしました。

 

直接の利害関係のない第三者に気持ちを伝えることで、少しでもJさんの精神的な負荷が軽減されればと思いますし、また、もしかしたら、生活に関するヒントも手に入るかもしれません。

 

ちなみに、弊法人「一般社団法人がんチャレンジャー」にご相談いただければ、我々の方からも何か有益となる情報提供ができるかもしれません。

 

Jさんをサポートしたい、と思っている味方はきっと大勢います。ぜひそういった社会資源を遠慮なく頼ってください。

 

(了)

 

回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)