奥様の病気がきっかけで、お仕事に加えて家事も、周囲の支えなく取り組んでいらしたのですね。大変頭の下がる思いですし、Jさんが「誰かに寄り添ってほしい」というお気持ちを持ったとしてもそれは当然のものと思います。
私たちは、がん罹患者にかかわる方に「寄り添う」ためのヒントをご提供する活動をしていますが、そのかかわる方ご本人にとっても、「寄り添ってくれる方」がいらっしゃるかどうかは、継続的なかかわりに向けた大きなポイントだと思っています。
とはいえ、奥様ができるだけ病気であることを伝えたくない、というお気持ちを尊重なさっているJさんであれば、なかなか知人・友人には打ち明けられないかもしれませんね。
では、例えば、病院のがん相談支援センターや公的な相談室のようなものを訪ねてみるのはいかがでしょうか。
また、私の経験で恐縮ですが、職場の福利厚生などで電話相談を受け付けてくれるサービスを活用したりもしました。
直接の利害関係のない第三者に気持ちを伝えることで、少しでもJさんの精神的な負荷が軽減されればと思いますし、また、もしかしたら、生活に関するヒントも手に入るかもしれません。
ちなみに、弊法人「一般社団法人がんチャレンジャー」にご相談いただければ、我々の方からも何か有益となる情報提供ができるかもしれません。
Jさんをサポートしたい、と思っている味方はきっと大勢います。ぜひそういった社会資源を遠慮なく頼ってください。
(了)
回答者:花木裕介(一般社団法人がんチャレンジャー 代表理事)